
米ダラスのAT&Tスタジアムで、ケインは試合開始早々から注目を集めた。イングランド代表のキャプテンストライカーは、一度止められたPKを再キックで決めて先制点を挙げた。特筆すべきはゴールだけでなく、バイエルン・ミュンヘン所属のこのストライカーの冷静さだ。最初の失敗後に動揺を見せることなく、2度目のキックでクロアチアのゴールキーパーを冷徹に破り、イングランドをリードさせた。
先制点が度胸を示すなら、前半終了間際のヘディングゴールはケインの得点能力の高さを証明した。クロアチア戦での2得点により、彼はイングランド代表通算115試合で80得点となり、3大会連続のW杯得点も記録した。
2026年W杯の得点王争いが、リオネル・メッシ、キリアン・ムバッペ、アーリング・ハーランドといったスター選手の印象的なパフォーマンスで早くも加熱する中、ケインも素早く存在感を示している。彼は得点するだけでなく、トーマス・トゥヘル監督が構築するスピードあふれる攻撃スタイルの核としても機能している。頻繁に下がって中盤と連携し、チームメイトが駆け上がるスペースを作り出している。この機動性が、後半のイングランドの圧倒的な試合展開に貢献した。
ケインのゴール後、イングランドはジュード・ベリンガムとマーカス・ラッシュフォードの得点でさらに爆発した。トゥヘル監督のチームは計18本のシュートを放ち、うち8本が枠内、クロアチアを完全に圧倒した。
この勝利は、トゥヘル監督率いるチームが多くの疑念を抱えながらW杯に臨んだことを考えれば、さらに意味深い。試合前、チームはキャンプ地近くのセキュリティ問題、装備の盗難、米国の過酷な天候など、ピッチ外の一連のトラブルに直面していた。しかし、「三頭の獅子」はそれに影響されるどころか、決意に満ちた表情を見せた。
ケインにとって、2026年W杯は代表チームでタイトルを獲得するキャリア最後の大きなチャンスかもしれない。EURO連続準優勝の悔しさを味わった1993年生まれのストライカーは、米国での一戦一戦の重みを理解している。イングランドメディアが早くも2026年のバロンドール争いに言及し始めたのも偶然ではない。現在のような得点力を維持し、イングランドをW杯で深く進出させれば、ケインはサッカー界最高の個人賞の最有力候補となり得る。
ダラスのスタンドでは、何千人ものイングランドサポーターがおなじみのフレーズ「It's coming home」(サッカーが帰ってくる)を歌い上げた。ハリー・ケインの輝きとともに説得力のある初戦を終え、その確信はかつてなく強まっているようだ。